けんぽだより
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omorrowそれはちょっと問題ですね︒なぜなら自己肯定感とは︑﹁ありのままの自分を認める感覚﹂のこと︒他者との比較によって生じるものではなく︑むしろ他者との比較は自己肯定感を下げてしまうことにつながるからです︒ 日本人は諸外国と比べて自己肯定感が低いと言われていますが︑その背景には自己肯定感の捉え方の誤解があると指摘されています︒自己肯定感に関する調査において︑対象者は﹁他者との比較﹂を基に自己評価している傾向にあるため︑正しく分析されていない可能性があるのです︒  また︑国連の﹁世界幸福度報告書﹂では︑日本の幸福度は他国と比べてあまり高くないとしていますが︑この﹁幸福度の低さ﹂は︑自己肯定感の要素のひとつである﹁自己決定感︵自分の人生を自分で周りと比較して自己肯定感が低下している?コントロールしている感覚︶﹂が関わっているとされ︑自己決定感が高い人ほど︑自分の選択に満足し幸福度も高いという研究結果もあります︒ つまり︑必要なのは自分軸︒他者と比較して他人の価値観に振り回されるのではなく︑今のままの自分は自分のままで価値があると考え︑自分の価値観や基準を大切にすることが重要です︒﹁昨日よりできるようになったこと﹂を喜び︑﹁比較すべきは常に自分﹂という癖をつければ︑少しずつ自己肯定感を高めていけるでしょう︒Q肌がきれいになりたいです。シートマスクは真皮層にまで水分周りに優秀な人がいっぱいいて、最近、自己肯定感が下がりっぱなしです。高めるにはどうしたらいいでしょうか。(20代・男性)TQ9公衆衛生学を専門とする医師が、体や心の健康に関するお悩みをデータに基づいてお答えします。が届き美肌になると言われてますが、本当ですか?(30代・女性)柳澤綾子先生やなぎさわ・あやこ●医師、医学博士、東京大学医学系研究科公衆衛生学客員研究員。ママ女医の立場から予防医学の啓蒙活動に尽力し、講演、執筆および監修等を行なっている。真皮層まで届く美容成分が含まれる化粧品はあるようですが、シートマスクとなると、水分が真皮層まで届くことはまずないでしょう。保湿成分を含むもののほとんどは、肌の一番外側となる表皮の角質層に留まります。なぜなら、皮膚の主な機能のひとつはバリアで、表皮層よりも下へ簡単に外界からの異物を入れたりしないからです。 シートと肌が密着するので均等に浸透させやすいとは思いますが、実は化粧水を直塗りするのとあまり効果は変わりません。また、肌の水分量というのは高まれば高まるほど良いというものでもなく、水分量が高くなりすぎてしまうと、肌のバリア機能が弱まってしまうことも。より効果を求めて長時間シートマスクを装着すると、蒸れておむつかぶれのようになってしまうこともあるので注意が必要です。 美肌といえばサプリメントなどでコラーゲンを摂る方法もよく耳にしますが、ここにも落とし穴が。いくら口から摂取しても、体全体の組織をつくる原料として利用されるため、都合よく顔の皮膚だけに届くわけではないのです。残念ながら…。 美肌を目指すなら、もちろんスキンケアは大切ですが、質の良い睡眠や適度な運動、そしてバランスの良い食事があってこそ、ということも忘れないでくださいね。ポジティブポジティブ相談室

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